ネット環境さえあれば、株取引やFXなどの投資を手軽に行えるようになっています。そんな投資を始める際に、考えておかなければいけないことが、毎年2月中旬から3月中旬にかけて行われる確定申告です。
会社勤めをしている人の場合、税金の計算や申告は年末調整という形で会社が行ってくれます。ただ、副業や投資などで収入を得ている、医療費控除を受けたいなどの理由があれば、会社勤めをしている人でも確定申告が必要です。
ネットで投資を始める上で必要となるのが、証券会社の口座です。
証券会社の口座を開く際、まず口座の種類を選ぶことになります。
証券会社が売買差益や税金などの計算を行ってくれるだけでなく、源泉徴収という形で税金の支払いまで行って貰える特定口座を選んでおけば、利益が出ても申告は必要ありません。それに対し、源泉徴収が行われない口座を選んだ場合は、個人で申告が必要です。
確定申告を負担と感じる人は、特定口座を選んでおくことで、税金の計算などを全て証券会社に任せることができますが、特定口座を選んだ場合でもしておいた方が良いのが確定申告です。
源泉徴収をして貰っているのに、あえて確定申告をするメリットは、還付を受けられる可能性があることです。
特定口座を選んだ際に計算して貰うことができるのは、あくまで証券口座によって生まれた利益や発生した税金に関する金額です。
しかし、税金の計算というのは、本業は本業だけ、副業は副業だけとそれぞれ単体で計算するものではありません。
最終的な税率は、本業と副業の総収入によって決まるため、源泉徴収の税率よりもトータルの税率の方が低ければ、確定申告によって還付を受けられる可能性があります。
源泉徴収の税率よりもトータルの税率が低いことが分かっても、税務署側から連絡が来ることはないため、自分で申告をしない限りは支払った税金を取り戻すことはできません。
もう一つ、確定申告のメリットは損失が出た場合に今後の利益と相殺できる可能性があることです。
そのため、投資を始める際には源泉徴収をされている口座を選んだ場合であっても、損失が出てしまった場合でも申告をすることを意識しておくと良いでしょう。
特定口座を選んだ場合は、1月末までに年間取引報告書が送付されます。年間取引報告書があれば、投資で出た収益などを個別に計算する必要がないため、慣れていない人や本業が忙しい人でも手軽に申告作業を行うことができます。